中高年のためのページ      

これまで本格的スポーツ車に乗ったことがない人が、中高年になって、初めてサイクリン

グをはじめようというとき、いったいどんな自転車に乗ったらいいのか、迷うところです。

ままちゃりでは駄目なのでしょうか? ままちゃりがサイクリングに不向きな理由は、三

つあります。

 

前傾姿勢が取りにくい。

サドルがあげられない。

パンク修理がしにくい。

自転車の走行抵抗は、ほとんどが空気抵抗です。スピードがあがってくると急に空気抵抗

を感じるようになります。大体時速20kmが境目になります。その時に前傾姿勢が自然

に取れる自転車かどうかで、維持できるスピードがおおいににかわってくるわけです。あ

くまで10km〜15kmぐらいのスピードでのんびり走るのなら、空気抵抗を感じるこ

 

とはないでしょう。(向かい風だと話は別)

じゃあ、ゆっくり走るのなら前傾姿勢を取れなくてもよいかというと、そうでもありませ

ん。直立姿勢で、長時間自転車に乗っていると、全体重がお尻にかかってしまうので、お

尻がつらくなってくると思います。スポーツ車は、サドル、ハンドル、ペダルの三点に体

重が分散されるので、長い時間自転車に乗っていられるのです。

理想をいえば、ロードレーサーが一番です。極端な前傾姿勢は、腰に悪いのではと、中高

年の方は敬遠されますが、あの姿勢は、赤ちゃんのはいはいなのだと考えてください。そ

れにロードレーサーは、ハンドルを握る位置が、さまざまなバリエーションが取れますの

で、向かい風にたいして思いっきり上体を伏せたり、逆に上体を起こして楽な姿勢を取っ

たりできるのです。

ロードレーサーはらくちん自転車なのです。考えてみてください。いくらプロとはいえ、

毎日5時間も6時間も走りつづけることができる自転車なのです。らくちんじゃなければ

できないじゃないですか。

 

長時間自転車に乗るには、サドルの位置が非常に重要です。たいていのままちゃりでは、

サドルの高さ調整に限界があります。サドルの位置は、ペダルをいっぱいに踏みおろした

ときに、膝がわずかに曲がる程度が理想です。といってシートポストの引き出し量には限

界があります。最低5cmは差し込んでおく必要があります。ままちゃりで理想のサドル

位置にしようと思ったら、シートポストを長いものに交換する必要がでてくるかも知れま

せん。

スポーツ車は、身長にあわせて、さまざまなサイズが用意されているので、その心配はな

いわけです。

サイクリングに出掛けて心配なのは、パンクです。自転車屋さんがありそうな所ばかりを

選んで走るわけにもいきません。スポーツ車は、車輪がワンタッチで外せるようになって

いるので、パンクしたときは、予備のチューブと交換してしまえばいいのです。特別な工

具はほとんど必要ありません。

その時は太めのタイヤの自転車、たとえばマウンテンバイクなど、が作業が楽でいいので

すが、ロードレーサーのような細いタイヤでも、コツを覚えれば、出先で自分で修理する

ことは可能です。

以上を総合すると、筆者のお薦めはロードレーサーということになりますが、なかなかと

っつきが悪いでしょう。価格的にもロードレーサーはかなりします。そこで別の選択肢と

して、

 

ままちゃりでも変速機つきのややスポーティーなモデルを選ぶ。

マウンテンバイクから、らくちんポジションの可能なモデルを選ぶ。

クロスバイク(マウンテンバイクのスタイルで細身のタイヤをはいたモデル)を選ぶ。

それでも、走行時間が一時間をこえる、距離が20kmを超える場合には、ロードレーサ

ーをつよくお薦めしますが。

いずれにしても、体にぴったり合ったサイズの自転車を選ぶことが肝心です。また購入後

に、部品を交換することによって、より乗りやすい自転車に仕上げていくのも大事です。

 

マウンテンバイクのごついタイヤは、いかにも重そうですが、空気圧を高めにすれば、ず

いぶん走行感は軽くなります。タイヤだけ細身のものに、あとで交換することも可能です。

マウンテンバイクは、ライディングポジションが限られているため、腰の角度が固定され

てしまいます。これは長距離走るのは非常にきついので、マウンテンバイクを購入すると

きは、楽なポジションのものを選ぶべきです。あるいは、ハンドル交換などして、楽な乗

車姿勢にするべきです。

最初の自転車が自分のニーズにぴったりあうことはめずらしいのです。サイクリングを続

けているうちに、要求もかわってくると思います。一台目は気楽に選んでください。

服装について。

これは絶対の条件ですが、どんな自転車に乗るときも、レーサーパンツを着用してくださ

い。すべての自転車は、レーサーパンツを着て乗ることを前提に、作られていると思って

ください。例えままちゃりでも、少し長い距離を走るときは、レーサーパンツをはけば、

すごく楽に乗れます。お尻が痛いので、自転車はやめた、なんてなるのはつまりません。

上着は何でもいいと思います。もちろんレーサージャージは機能的にすぐれていますが、

夏ならTシャツ、春や秋なら、長袖のトレーナーでいいでしょう。

寒すぎず熱すぎずはむつかしいのですが、これは重ね着で調整するしかありません。とい

っても脱いだものをどうするか困ってしまいます。自転車をしばらくこいでいると、すぐ

に体温は上がってくるので、少し肌寒いぐらいの服装で走りだしてちょうどになります。

熱くなれば、すぐたたんで、ウエストポーチに収められるような、薄手のウインドブレー

カーを羽織ってでるのが一番でしょう。厚着にすぎると、非常につらいものです。

ヘルメットは強制されて着用するものではありませんが、自転車用のヘルメットは、非常

に軽くできていて、慣れるとかぶることはまったく苦にはなりません。まさかのためにぜ

ひ着用をお薦めします。怪我をしてから後悔しても何にもならないのですから。

靴は底がやわらかいものは、長時間のライドでは、足の裏が痛くなってしまいます。

ビンディングペダルと、サイクルシューズの組合せは非常に楽にペダリングができます。

別に引き足を使うわけではないのですが、足の位置が決まることと、足がペダルから外れ

る心配がないので、ペダリングに専念できるからです。最初は、はめやすく外しやすいM

TB用のペダルからはじめてみてはどうでしょう。

運動強度について

健康のための運動は、強い強度の運動を短時間するのではなく、軽い運動をある程度の時

間、続けて行なうことが重要です。具体的にいうと、鼻歌が消えるくらいの運動というこ

とになります。

自然に鼻歌がでるようでは、弱すぎ、ハーハーと息が荒くなるようでは、強すぎです。こ

の程度の強度で、毎日なら、30分、一日おきなら、1時間運動すれば、健康維持には充

分とされています。

より正確に運動強度を管理したいのなら、心拍計を利用するのもいいでしょう。とにかく、

いきなり心拍があがるような強い運動をするのは、中高年には非常に危険です。最初の1

0分間はウォーミングアップと心得ましょう。

 

サイクリングは、膝に負担を掛けない運動という意味ではいいのですが、逆に骨疎しょう

症の予防には、少し体重の負荷がかかる運動も取り入れたほうがベストです。週一度はウ

ォーキングの日を作るといいと思います。ジョギングはすすめません。膝への負担もさる

ことながら、ジョギングは、どんなにゆっくり走っているつもりでも、知らず知らずのう

ちに、運動強度があがりすぎてしまうからです。